えっ、いじめ議員を解任!?

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えっ、いじめ議員を解任!?

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「いじめる」
英語だと、bully (ブリー)。

「いじめる」という行為、つまり「いじめ」は、bullyにingをつけて、bullying。動名詞ですね!
さて、この「bullying」という言葉、昨夜から今朝にかけてメルボルンのニュースで盛んに出てきてます。今朝なんて、新聞の一面を飾ってました。でも日本とは決定的に違うのは、これが、学校での子供たちの世界ではなくて、国会での政治家たちの世界ということ。

労働党の男性議員が、同じ党内の女性議員を長年にわたって「いじめていた」ことで、とうとう昨日、役職を追われてしまいました。それが新聞のトップで報じられ、そのいじめに関する人間関係が、写真と吹出しで、ドラマのように分かりやすく描かれていました。

face 2

日本では大人の世界のいじめは、パワハラ、セクハラ、等と言い換えられますが、これを、あくまでも「いじめ」と終始言い切ってるところが、逆にわかりやすくて新鮮でした。

そこでいつものクセで、ついつい深読みしてしまいます。こんなに大きく報道されてると、さすがに子供たちにも簡単に目に付きます。そして、新聞やニュースを見ながら、子供心に思うでしょう。

大人になってもいじめをやる人がいて、その結果、仕事を辞めさせられてしまうのか。政治家って偉いと思ってたけど、いじめをやるような人って最悪。そんな人に投票したらダメだな。ニュースや新聞で涙目をした顔写真まで一面で出されて、あんな恥ずかしい思いをするのか….やっぱりいじめはよくない、絶対だめだ。

そういう意味で、とても意義のある報道だと思います。日本では、いじめ問題が新聞の一面に取り上げられることは、まずなさそうですね。社会面ではあっても。政治家間のいじめ問題があっても、それを問題とすることは「恥」として、お互いの暗黙の了解のもと闇に葬ってしまう。

「大人になってまで、そんな『いじめ』ごときで騒ぐなんてみっともない」というような風潮が、「秘するが花」、「沈黙は金」を美徳とする日本にはまだまだ根強くある気がします。ただ、それは言葉の本質をすりかえてるごまかしで、本当は単なる「ことなかれ主義」、「面倒くさいことは避けよう」なのかもしれません。

そんな大人の言い訳を、子供に押し付けていたとしたらそれは「悲劇」。大人だって、いじめと必死で戦ってる!ってところを見せること大事ですよね。日本が本気で学校ならびに社会のいじめ撲滅を考えるなら、「いじめ議員を解任!」なんて記事が、トップニュースで報道されるほどの英断が必要なのかもしれません。

ただし、オーストラリア人が、そこまで考えて報道している、とは言いません。むしろ、それがごく自然なような気もします。


2015-12-27T17:28:11+00:00 2015/07/29|