わかりにくい「could」の正体。

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わかりにくい「could」の正体。

さて、前回の続き。

助動詞can の過去形couldが、未来と言われた件。

そもそも英語の時制をつかさどるのは、
英語の「心臓」である動詞。

助動詞は、文字通りその助っ人であって、
時制を変える力はないのです。

ただ、動詞にはみなさんご存知のとおり、
現在形と過去形しかないので、
未来形は助動詞「will」が助けます。

じゃあ、なんで助動詞に過去形があるのか!?

それは助動詞だってカッコつけたい!
(過去形だけに…)

というわけではなくて、結構活躍していて、
一番の活躍どころは「仮定法」。

If I were a bird, I could fly!

もし私が鳥だったら、飛べるのになあ!

そう、仮定法の「~できるのになあ、~するのになあ」
この部分は助動詞の過去形のいちばんの活躍どころです。
would, might なんかもそうです。

だから、助動詞の過去形を耳にするとifなしでも、
「~するんだけどなあ」と自然に聞き取れるくらい。

2番目に多いのが、丁寧さを追加するとき。

Can I take this seat? より、Could I take this seat?

のほうが、「この席、よろしいですか?」と
断然丁寧に聞こえる。

Will you~? よりも Would you~?
「~していただけますか?」も然り。

形を過去にするほうが、
ちょっと距離ができて謙虚に聞こえる感じ。

ここでも、時制が過去になったわけではなく、
これから~しましょうか?~してもらえますか?

と、どちらかと言うと未来に近い感じのニュアンス。

さて、なんとなく could が未来に聞こえる理由、
わかりかけてきましたか?

では、ここから「could=出来た」の反撃!

さきほど、助動詞の過去形には時制を変える力はない、
と書きましたが、実は、唯一の例外が、
「~できる」という可能を表すcanの過去形「could」。

何を隠そうこの私、中高6年体操選手で、
昔はバック宙返りだってできたのです!
(ひねりはないけどね~)

と、数少ない過去の栄光をぶちまけるときの

I could perform back somersaults!

みたいなcould、これはOK。

なのに、なぜ、先週のスピーチうまく出来た!
のcouldはだめなのか。

青春の汗と涙の結晶、何年も続けてやっと出来たことと、
数日の努力でちゃっかり出来たことと、
同じ出来たでも、質が違う!
一緒にしてもらっては困る!

というのは冗談ですが、
一般にcanには、「できる」は「できる」でも、
身に備わった能力を表すんですね。

なので、一時的にできたことや、
ましてや、
「憧れのアイドルに逢うことができた!」
「いい思い出ができた!」
なんて、才能とは関係ないですよね。

そういう場合は、
be able to を使うのが正解です。

この傾向は、過去形だとますますはっきりします。

というのは、最初に書いたように、
couldは仮定法で使うことが多いから誤解されないように、
was able to または、managed toを使うのが普通なんです。

このことは、英語上級者でも意外と
気づかないものです。
だから、もしあなたが知らなかったとしても
不思議ではありません。

なぜかというと、この法則が当てはまるのが、
なんと肯定文のときだけだから。

つまり、
I couldn’t make a good speech.
Could you make a good speech?
ならいけるということ。

英語学習者にとって、英語は応用の産物。
否定文や疑問文で使えるなら、
当然、I could see her だって言えるはず、
と考えて当然。

だからとっても気がつきにくい
「could」の正体。

Thanks to you, I was able to make a good speech!

(おかげさまで、いいスピーチが出来ました!)


2016-08-31T12:48:30+00:00 2016/08/30|